潰瘍性大腸炎、クローン病情報サイト:大腸炎ドットねっと

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潰瘍性大腸炎とは?

潰瘍性大腸炎とは、何らかの原因により、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。

炎症は通常、肛門に近い直腸から始まり、その後、その奥の結腸に向かって炎症が拡がっていくと考えられています。腸に起こる炎症のために、下痢や粘血便(血液・粘液・膿の混じった軟便)、発熱や体重減少などの症状があらわれます。

潰瘍性大腸炎のイメージ

病状は、おさまったり(緩解期)、悪化したり(活動期)を繰り返すことが多く、長期にわたって、この病気とつきあっていくこともあります。

病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。

炎症を起こす原因は未だ明らかになっていませんが、腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常が考えられます。


潰瘍性大腸炎イメージ ←(写真左)

潰瘍性大腸炎のイメージ:画像提供元

太田綜合病院様


1)病変の拡がりによる分類:全大腸炎、左側大腸炎、直腸炎

2)病期の分類:活動期、緩解期

3)重症度による分類:軽症、中等症、重症、激症

4)臨床経過による分類:再燃緩解型、慢性持続型、急性激症型、初回発作型

潰瘍性大腸炎患者の推移

図のように、現在の日本では急激に潰瘍性大腸炎患者が増えており、77,073人(平成14年度特定疾患医療受給者証交付件数より)と報告されており、毎年5,000人程増加しています。

又、アメリカでは100万人の患者がいると言われいるので、日本では約10分の1となっております。

欧米人患者が多い事から、食生活による原因という考えもあります。

年齢別では、10代後半から20代前半に発病するケースが多く、男性と女性の比率は1:1となります。


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潰瘍性大腸炎の原因は?

日本における特定疾患という事で、潰瘍性大腸炎の原因は未だ不明です。

しかし、欧米人患者が多い事から食生活の問題があり、その他にも遺伝の問題、ストレスにも関係していると言われています。

肉体労働よりも、事務ワークをしている方に患者さんが多いとされていますが、ストレスについては十分気をつけなければいけません


潰瘍性大腸炎の症状

便がだんだんゆるくなり、次第に出血を伴う便、又は粘膜便になることが多くなります。

その後、痙攣性の腹痛と頻回の排便をもよおします。 症状が重くなると、発熱、白血球の増加、体重減少、貧血などの全身への症状が起こります。また、合併症として皮膚や眼の病変、関節の痛み、子供の場合は成長障害が起こることもあります。


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潰瘍性大腸炎の治療法

現在では、内科治療による完治は難しいとされていますが、腸の炎症を抑える薬によって病状をコントロールします。

また、食事の制限は比較的少ないとされていますが、低脂肪、低残渣の食事が良いとされています。

内科による治療

1.薬による治療
通常はサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)と、その副作用を軽減するために開発された改良新薬のメサラジン(ペンタサ)があります。

通常は経口から投与され、持続する炎症を抑えます。また、経口による薬投与で効果が薄い場合や、下痢等の症状が緩和されない場合に直腸に投与されます。

これらの薬を投与することにより、腸の炎症、下痢、下血、腹痛などの症状が緩和されます。これらの薬剤は軽症から中等症の潰瘍性大腸炎に有効で、再燃予防にも効果があります。

〈副腎皮質ステロイド剤〉 代表的な薬剤としてプレドニゾロン(プレドニン)があります。

この薬剤は中等症から重症の患者さんに用いられ、強力に炎症を抑えますが、再燃を予防する効果は認められておらず、副作用も強い薬となります。

2.薬の副作用
サラゾピリンの副作用として、代表的なものは 頭痛、胃炎、精子減少となっており、ペンタサは副作用が少ないとされています。

プレドニンの副作用として、 飲み始めに、いらいら感、不眠、消化不良、下痢、吐き気、食欲増進などがあげられます。服用が長くなると、にきび、むくみ、生理不順なども起こります。

又、服用が長くなるにつれ、 脂肪の異常沈着の可能性が出ます。ムーンフェイスと呼ばれる顔がふっくらしたり、肩やおなかが太る症状が出てきますが服用を抑えると自然に治ります。

外科による治療

下記のようなケースでは手術の対象となることがあります。

(1)大量出血の場合
(2)中毒性巨大結腸症(大腸が腫れ上がり、毒素が全身に回ってしまう)
(3)穿孔(大腸が破れる)
(4)癌化またはその疑い
(5)内科的治療に反応しない重症例
(6)副作用のためステロイドなどの薬剤を使用できない場合

手術の場合は大腸の全摘出が基本となりますが、現在では肛門を温存し、大腸を取り除いた後に小腸で便を貯める袋を作って肛門につなぐ方法となり、以前の人工肛門の必要が無くなりました。

参考:難病情報センター


潰瘍性大腸炎の経過について

この病気の特徴として、緩解期(症状が無くなる)と再燃期(症状が現れる)を繰り返します。

病状が重い患者さんほど、手術の可能性が高くなりますが、約半数の患者さんは始めの症状から二度と再燃しない緩解期で過ごしているようです。

この病気のもう一つの特徴として、大腸癌になる確率が健康な方と比べて高くなると言われています。


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